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バルメ .410 散弾銃レビュー

2018/09/24 16:24:01 | 実銃 | コメント:5件

日本で持てる猟銃にはライフル、散弾銃、空気銃がある。しかし日本において最初に所持できる実銃は散弾銃または空気銃と銃刀法により定められている。しかしライフルにあこがれる方は多い。そんな需要を満たすべく生まれたのがライフル改造.410散弾銃だ。

10年待たねばならないライフル
ライフルを所持したければ、基本的には装薬銃を連続して10年所持し続けなければならない。もちろん日本ライフル射撃協会か日本クレー射撃協会ランニングターゲット部会から推薦を得ればライフル銃がすぐに所持できるが、これはもっぱら競技用銃に限られる。近未来チックなアルミストックを持った.22LRのライフルか、ランニングターゲット用の特殊スコープが付いた(これはなくても構わないが、なければ圧倒的に不利だろう)口径6.5mm以下のライフルなど、種類や口径はもちろん、用途も標的射撃のみに限られる。当然、これらの推薦銃を狩猟や有害鳥獣駆除などで使用することはできない。また競技銃という性格上、ボルトアクションライフルのみで、セミオートライフルは推薦が降りない。セミオートライフルを所持したい方や、ライフルでシカやイノシシを倒したいと思っている方は、所持後10年待たねばならないわけだ。

すぐに申請できるライフル改造散弾銃
散弾銃とライフル銃の決定的な違いは、ライフリングの有無にある。散弾銃は鉄パイプのようなスムースボアであるが、ライフル銃はライフリングはしっかり入ったバレルを持っている(ハーフライフルという、銃身の半分だけライフリングが入った散弾銃でもライフルでもない猟銃もある)。つまりライフリングがあればライフルだが、それがなければ散弾銃となる。だからライフル銃の銃身をえぐってライフリングをなくしてしまえば、それは散弾銃となるわけだ。散弾銃なのだから、元はライフルだったとしても、すぐに所持許可申請ができるわけ。
こういったライフル改造散弾銃というのは数十年前は流行っていたようだ。しかし近年はあまり見かけなくなったという。それは使用する弾が.410という、きわめて弱い実包だからだろう。口径は約10.4mmで、12番の実包と比べて半分くらいしかない。もちろん散弾の量も火薬量も少ない(※)ので、狩猟ではめったに使われないものだ。しかし撃ちやすさはピカイチで、一日中撃っていても疲れない。

※.410でもリロードして北海道でシカを倒していた人もいる。


バルメ
フィンランド生まれのバルメ(Valmet)は国防軍用の銃器を開発していたようだが、その傍らで狩猟用のライフルおよび散弾銃を製造していた。その筆頭に上がるのがバルメハンターだ。外観はライフルストックを持った一般的な猟銃であるが、内部はAKのそれと似ている。この機種の売りは、ライフルストックでありながら直銃床に近いデザインと、耐久性、作動性、命中精度の高さにある。大まかに分けて前期型と後期型があるようだが、その違いはセーフティやサイトの位置、形状などが挙げられる。口径も.243や.308、.30-06、7.62×39mmなどがあったらしい。


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今回ご紹介するバルメは、都内の銃砲店で.410に改造されたと思われるもの。セーフティがAKに近い前期型の、.308口径仕様をベースにしている。もちろん、購入時は口径以外まっさらなバルメハンターであったが、サイトの位置が低すぎるなど、使い勝手が悪いのでフロント/リアサイトを交換した。また内部も一部パーツ交換している。


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リコイルスプリングアッセンブリーやレシーバーカバーは社外パーツを使用している。ボルトキャリア先端のガスピストンが独特な形状をしているのが分かる。


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内部の写真。トリガーとシア/ディスコネクターはトリガーバーによって連動している。エジェクターは固定式だ。


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セーフティはシアの動きをロックする方式だ。ハンマースプリングやハンマーも社外品だが、純正も同じような形状であった。


実射
まずは既製実包から撃ってみる。用意したのはウィンチェスターとレミントンだ。前の所持者から聞いてはいたが、既製実包では排莢しないし、ましてやマガジンからの給弾も不可能だという。それはどういうことか確かめたかった。結果はボルトキャリアが数センチ後退しただけで、排莢はされなかった。これは当然だろう。.308ライフル実包に比べてはるかに軽い弾頭がライフリングもなしに撃ちだされるだけだからだ。充分に圧力が上がる前に弾頭が飛び出してしまっているはずだ。ちなみにマガジンからの給弾は、チャンバーの入り口にクリンプ部が引っかかってしまうため不可能だ。何度もやると弾が破損して撃てなくなってしまうのでやめた。

排莢させるために
自動銃は連射できなければ意味がないが、それは無理そうなので、せめて排莢くらいはやってほしい。そこでリロード弾も試してみた。.41口径、195グレイン弾頭を使い、IMR4227を○○グレイン入れて撃ってみたもののまったくだめ。燃焼速度の遅いIMR3031に切り替え、火薬量を増大させたもののそれもダメ。そこで弾頭を240グレインに変え、火薬量もさらに増やしたもので挑戦したところ排莢は数発だけ上手くいった。しかし火薬量が多すぎるのか、弾頭がデカ過ぎるのか分からないが、薬莢がチャンバー内に張り付く自体も起きた。これがリロードの難しいところだ。
気になる命中精度だが、これはまだ正確なデータを取っていないので分からない。何せ構造上スコープが付けられないので、まったくゼロインできていないのだ。参考までにリロードして撃ってみたら、40発撃って的紙に数発当たるくらい。今回のリロードは排莢させることだけを目的に作ったものなので、弾道は恐ろしいことになっているようだ。近いうちにちゃんと当たる弾も作って挑戦してみたい。
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コメント

ライフル改410番について

2018/10/25(木) 02:33:50 | URL | 道産子ハンター #RgJkdVwI
道東方面は現在でもエゾシカ猟にライフル改410番の銃は皆さん使っています。私も弾をリロードして使っています。
特に私の周りの10年未満のバリバリやっている人はみなさんサベージ220やAboltから410に乗り換えています。
ちなみに精度は200mで500円玉に納まる精度(火薬の量などの調整が必要)とライフル並みの初速が出ます。

基本的に北海道でライフル改410の存在を知っている人はみなさん探しています。(新銃がないので個人売買でやり取りされているため)

Re: バルメ .410 散弾銃レビュー

2018/10/25(木) 12:27:38 | URL | いけ #YOtZrjwY
コメントありがとうございます。
.410で鹿撃ちをしているというという話はよく聞きますが、200mで500円玉の精度というのはすごいですね。ハーフライフリングでしょうか? リロードデータを知りたいものです。
私ももう1挺、ボルト式ライフル改造の.410散弾銃を持っていますが、減装弾でせいぜい50m 5cm、100mで15cmくらいの精度です。薬量をあげるとまったく当たらないので使い物になりません。でも.410スラッグもなかなか奥が深くて面白いですよね。
ライフル改造の新銃は多分ありませんね。どれも使い古したライフルを改造してあるように思います。しかもレバーアクションばかりでボルト式は少なく、自動銃改造はごくごくわずかです。本州ではあまり需要がないのもあるのかもしれませんが・・・。

ライフル改410番について

2018/10/25(木) 22:20:16 | URL | 道産子ハンター #-
私はsakoの410改ですがこの辺でよく見るのはウィンチェスターM70やsakoが多いです。

410のハーフライフリングは許可が下りた時期が少しだけあったのですが現在は許可が下りません。ただしライフリングを削ってあるため薄っすら残っているライフリングがかなり制度に影響しているのかもしれません。なので銃によってかなりバラツキがあります。

薬量はIMR4227を42〜48grain の間で大体決めている人が多いです。私は45grainでかなりまとまりました。薬量を決めるのはかなり大変でした・・・

ちなみに薬莢は真鍮薬莢で北海道なので銅のフォローポイント弾頭です。

Re: ライフル改410番について

2018/10/25(木) 23:18:50 | URL | いけ #-
ボルト式は人気ですね。私のはレミントン model700ですが、単発式になっちゃってます・・・。実猟にはちょっと不利かもしれません。

うっすらライフリング、あるんですかね。一般的なライフルは7.62とか、せいぜい9mmくらいですから、10.4mmじゃライフリングが残ることはないと思うのですが・・・。このあたりも謎です。

4227を45gr.というのはだいぶ強烈ですね。私はプラ薬莢では27gr.以上入れないようにしています。真鍮薬莢ならIMR3031を47gr.くらい入れたこともありますが、それだとだいぶオーバーパワーで、弾頭が砕け散っているような気もします。自分でキャストした純鉛製なので強度がありません。その点、銅製ホローポイントなら弾頭自体の耐久性も高そうですね。
.41口径の弾頭なんてめったに手に入らないのと、そもそも真鍮薬莢のリサイズが不可能なので、2、3回使ったら捨てないとならないのが痛いのが結構厳しいです(ボルトならフルレングスダイなどでリサイズしなくてもいいのかも)。何かいい方法、あったらぜひ教えてください。

Re: ライフル改410番について

2018/10/30(火) 11:02:49 | URL | 名無しさん #-
ライフリングについては詳しくはないんですが、目で見てわかる程度です。
あまり目立つようだとガンオイルを沢山吹いて銃検査に行ったなんて話しも聞きます。

弾頭についてですが44口径が合いますので鉛でしたらジャケッテッドフォローポイント弾の「Sierra Sports Master Bullets 44 Caliber 210 Grain」などが合います。
銅弾の44口径弾頭は北海道で数箇所手に入る場所がありますので基本的に困ることはありません。

薬莢は444.marlinのストレート薬莢を使っています。大体8~10回はは使えます。
444marlin薬莢なのでリサイズ等は444marlinのDieを使えば問題なくリロードできます。
この薬莢も売っているところがあります。

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